伝建地区(3)
2016/08/12
昨日に引き続き伝建地区のご紹介。
高知県室戸市吉良川町(平成9年選定)
林業からはじまり良質な備長炭を京阪神へ移出する廻船業で栄えたそうです。
特徴はご覧のとおり「水切り瓦」と土佐漆喰の壁。
土佐漆喰:
一般に漆喰と呼ばれるものは、左官用の消石灰に砂、のり、スサを加えて水練りしたものを言うが、土佐漆喰は地灰(塩消石灰)にネズサ(発酵処理した藁スサ)を加え水練りしたものであり、のりをふくまないのが特色。
のりを混入しないので、塗り付け後水に触れても戻りがなく、厚塗りが可能で、消石灰が塩焼き、オーブン消化であるためきめ細かく仕上がる。塗りつけ直後はクリ-ム色であるが時間がたつと白色に近づく。
瓦もこの地方独特のものが多く見られます。
「鎬桟瓦」「左桟瓦」や棟の「青海波」等。
ただ、見るところあまりうまく保存が進んでいないように思います。
瓦をセメント瓦で葺き替えたり、左官仕事に予算が取られて屋根瓦が軽んじられている傾向だとお聞きしました。
淡路瓦には「鎬桟瓦」も登場しています。
是非、現状回復に重点を置いて保存修理を進めていただきたいものです。