街で見かけた?な瓦屋根(2)
2016/08/12
街で偶然見かけた
お寺の古い山門ですが、
近年葺き替えをした屋根の様です。
本堂はごく最近葺き替え工事をしたと見えます。
使用している瓦について、弊社ならこういった提案をさせていただきます。
先ず、桟瓦は切落(現状は面取・これは数奇屋風に屋根を軽く見せるために昭和になって開発された瓦であること)を使い、軒はつづ入模様入り(巴付唐草)の万十瓦にします。
また、瓦の大きさは64版か80枚版で・・・。
棟の輪違いのしの納め方がむちゃくちゃです。おそらくこの棟では20~30年くらい持てばいいほうだと思います。雨水が棟の中にどんどん入っていく納め方です。
屋根野地は少し照り屋根のはずなのに降り棟がほぼ直で、この降り棟の段数に対して大棟が低すぎること。
降り鬼瓦だけなぜ民家用の覆輪鬼なのかこれも疑問です。
拝み巴にももうひと工夫を。
隅の唐獅子巴蓋が建物にしては大きすぎる。
なんか瓦屋の愚痴のようになってしまい今日の記事はあまりご理解いただけない部分が多いのでは。
こんなことがむしろこの業界の欠点でもあると思うのです。
一般の人にはわからないだろうから、
手抜きをしよう、納め方がわからないから適当に・・・
予算がないからあまり似つかわしくないがこの瓦でいこう。
そうではなくやはり瓦のプロとして限られた予算の中で最善を尽くす。
後世に残して恥ずかしくない仕事を常に心がける。
こんな気持ちを何時までも持ち続けたいものですね。