「一文字瓦」考
2016/08/12
街で見かけた・・・・・一文字瓦
なぜこのような納まりになってしまうのかを考えました。
ひとつには、瓦自体の形状・行儀が悪いこと。
施工技術が未熟なこと。
「合端作業」がうまくできていないことなどが考えられます。
屋根面積が1000㎡くらいはあろうかという物件で築10年くらいの建物です。
競争が激しくおそらくまともな施工金額をいただいてないとも考えられますが、そこは瓦施工のプロとして恥ずかしくない仕事を心がけていただきたいものですね。
このような積み重ねが瓦離れの一因になっているようにも思います。
また、下の写真は別物件ですが、ありえない瓦の組み合わせの例です。
軒が一文字瓦なのに袖に「紐付き袖瓦」を使っています。
僅か3枚の袖瓦の数なのに・・・
袖の切り合わせ作業を省略したいためなのか・・・・
一文字瓦の屋根意匠をまったく理解していない瓦屋さんなのか・・・
施工も未熟なようですね、築7~8年の建物ですが、早くも袖瓦がズレています。
本当にまじめに一生懸命瓦を葺いていらっしゃる職人さんはたくさんいます。
そして、われわれ製造者も一生懸命瓦を作っています。
少しでも多くのいぶし瓦の屋根を残して行くためにも、このような屋根を見て反省しとにかくいい屋根をたくさん残して行きたいですね。