なつかしの淡路島
2016/08/12
島内在住のアマチュア写真家 故「宗虎亮」さんの懐かしい写真集を発見。
昭和30年代の瓦作りの風景です。
地元の人ならここがどこかお判りでしょう。
写真の紹介文より・・・
とにかく焼き上がり屋根に葺かれてこそ「いぶし瓦」の特色が出ます。
付近の景観はもとより、ほとんどの家並みの屋根が夕日に映えしぶい銀色に輝く風景こそ淡路そのものです。
昭和30年ごろの津井では、瓦製造所が家内工業的なところを入れて二百軒近くありました。ほとんど全村の人がこの仕事に関わっていたのです。
掘り出した粘土に水をかけ、男の人が足で踏んで練るのです。出来上がった土を、灯油を塗ったプレス機の型にはめ、1枚づつ丁寧に仕上げて並べて行きます。
2日ほど風通しの良い家の中や庭で乾かし「みがき」の作業に入ります。「つつじ」という台に1枚づつ乗せて、検査し傷みを直します。1日三百枚平均。昼食もそこそこに、夜働く人は五百枚も仕上げたそうです。工賃は一枚十円だったとか。
こちらは先ごろ見学した三州の大手平板瓦工場。
ボタン一つで僅か3人(交代制)で一日2万枚もの瓦が出来るのです。
淡路のいぶし瓦には上記の写真とまではいきませんが、まだまだ昔のような手作りの部分が多く残っています。
ですから、平板瓦の機械的な瓦より温かく、どこか人々に親しまれる瓦であるといえるのではないでしょうか?
つまり、瓦づくりに携わった人の心をのせている製品なのです。
葺きあがった屋根を見てもおわかりのように、平板瓦の屋根には瓦が持つ個性がなく、表情がないように感じませんか?
家を建てるご計画の方、見直してみませんか!
屋根には「いぶし瓦」を・・・