達磨窯 復活 (8)
2016/08/12
今週の達磨窯プロジェクト、
窯の水分を抜くための空炊きを行いました。
今回構築した窯の構造は概略以下の図のようになっています。
この図からもわかると思いますが、煙道を造り煙突を建てています。
本来達磨窯にはこのような煙道・煙突は付きません。
つまりこの窯の正式な呼称は「半倒焔窯」ということになります。
一度上がった炎を下に引き込んで煙突で出す構造になっています。
なぜ、このような方式にしたのか、以下のような理由から判断して採用しました。
その前に、今回ある瓦工場で使っていた煙突が設備更新のため不要になったためそれをいただいてきてこれも再利用させていただきました。
「半倒焔窯」とは、達磨窯を改良したもので瓦を焼成する時は、倒焔。
燻化過程では直焔に切り替える窯のことです。
なぜ、このようにしたら良い結果が得られるのか・・・・・
窯に詰められた瓦の隙間にガスが通りやすいところと通りにくいところがあるとすると、
その下から上への直焔加熱で一度ガスが通ったところは温度があがり火の道が作られその通った位置にガスが走りやすくなります。
そして、今度はガスが上から下への倒焔流れになると、
ガスが通ったところは上への押し上げ力が働くので、いまだガスの通らない方に流れやすくなり、全体的に均一に流れやすくなるという理屈です。
本来の直焔式の達磨窯では最初に一つの谷が他より加熱されるとそこに火道がつきなかなか全体を均一に加熱するのは難しくなります。
そして、今度は燻化の場合を考えますと、焼成時とは逆の事が言えます。
燻化のガスは窯の中で加熱されている瓦よりも低く、このガスが通るとそこは温度が下がり次にはその周辺の温度の高い方へガスが流れます。
そのため下から上へ流すことで均一に流れることになります。
つまり、燻化の時は煙道には引かず戸口(窯の上部)ふかし穴から燻化ガスを排出させ直焔式に切り替えるのです。
これが、「半倒焔式」といわれる所以です。
長くなりましたが、こんな機械も・・・・
強力な助っ人、薪割り機の登場です。
これでずいぶん作業効率アップです。
明日から6日まで、ゴ-ルデンウィ-クの休みに入ります。
その間、工場メンテナンスも例年通り行いますが、記事投稿は一応お休みします。
皆様、よい休日をお過ごしください。