工場見学ツア-(1) 手技 万十磨き
2016/08/12
軒瓦の「万十瓦」
人の目の一番近いところで施工される瓦です。
一見なにも問題ないようにみえますが、よく見ると・・・
業界用語で「伸び切れ」が見えます。(玉が部分的に少し黒くなっていますね)
プレスして玉部分の土を押し出して成形しますのでこのようになります。
いぶし瓦は釉を掛けないので焼いてもこのままの状態で焼きあがります。
ですから、特にこの瓦に限って昔から「磨き」という工程を経てから焼くようにしています。(おそらくこの作業は今では淡路瓦産地だけではないかとおもいますが・・)
赤いのはビニ-ルホ-スそして金箆(ヘラ)も使って磨いていきます。
この作業は人の手の繊細な触感を最優先したまさしく伝統技そのものです。
弊社でも超ベテランのおばさん職人が手際よく毎日100枚以上こなしていきます。
特別注文の留付け用穴なども開けてから乾燥の棚へ・・・
この棚に置く位置にも非常に気を使います。
気候や焼き上がりのネジレの傾向などを考慮しながら位置を変え調整するのです。
何気なくこなしているような作業でも長い経験から蓄積されたノウハウがどんな仕事にでも生きているのですね。