瓦焼成
2016/08/12
いぶし瓦の焼成は主にブタンガスで行います。
1基の窯が一回の焼成で必要とするガスの量は大よそ600kg前後。(いぶしコミガスも含む)
工場に500kgボンベを数個設置してそこから供給しています。
「ブタンガスとプロパンガスについて」
家庭用はよくプロパンガスと言いますが、正しくは「液化石油ガス、LPガス」といいます。家庭用LPガス成分の大部分はプロパン(C3H8)です。
瓦用はブタンガス(C4H10)、分子式からお分かりのように、
炭素数3個のプロパンと炭素数4個のブタンは常温、大気圧下では気体ですが、圧力を加えると液体になります。(タンクの中は液体です)
そこから、プロパン(沸点-42℃)とブタン(沸点0℃)は液化石油ガスとよばれています。
沸点が低いプロパンは常温で液化させるのにブタンよりも高い圧力が必要ですので、保存する容器も丈夫でなければならないし、ガスの圧力も高いので注意して取り扱う必要があります。一方で、ブタンは常温で液化させるのに低い圧力で液化しますが、沸点が0℃であるため、寒冷地で温度が0℃よりも低くなるとボンベ内の圧力が大気圧よりも小さくなってガスがでなくなってしまいます。(液体が大気圧で沸騰する温度は、蒸気圧が大気圧に等しくなった温度です)。
近頃のような季節になるとブタン100%では朝方の気温低下によりガスが出なくなる恐れがあるため、沸点を下げる必要が出てきます。
そこで、この時期からプロパンが10%混入されたガスが供給されることになります。
さらに冬場に向けて気候(気温)を見ながら20%、30%混入ガスと変わっていきます。
液体を気化させて窯へ供給しているのが・・・
(上) ペ-パ-ライザ-
簡単にいえば大きなお湯(60度~80度)のタンクのなかにガス配管が通っていてその中を通すことにより気化させています。
(下)ボイラ-
お湯を沸かすための高温の蒸気をペ-パ-ライザ-に送っています。(24時間稼働)
電気でお湯を沸かしている場合が多いのですが、弊社はボイラ-を使っています。
長くなりましたので、続きはまた明日に・・・