左桟 桟瓦
2016/08/12
先日、高知県へ出張したときに見つけました。
古いレンガの建物にいぶし瓦、築80年位経っているそうです。
この屋根に注目しました。
現代の普通瓦・桟瓦は左側が高く右へとうねったア-ル形状になっています。ところがこの建物の瓦はその逆、右から左へうねったア-ルになっている通称:左桟桟瓦というものです。(写真ではわかりにくいかもしれませんが)ですから軒から見て1枚の瓦の重なりが右側になります。これを利用して、台風の多い地域など、建物に対して、よく吹く風向きを勘案して瓦の重なりを風向きと逆方向となるよう左桟桟瓦を使ったのでした。ですから、この建物の向こう面は通常の桟瓦でふかれています。
また、坂道に作られた塀などに瓦を葺く場合、重なりから水が入らないように登っていく方向に対して瓦の重なりが必ず水下になるようにするためこの左桟瓦を使ったものでした。ですから向かって右に上っていく坂道のとき、正面は普通瓦を裏側に左桟を使うことになります。
ただ、今はあまり使われません。高価であるのと施工技術が進歩したため使う必要が少なくなったためです。