唐招提寺
2016/08/12
先日、金堂平成大修理事業の見学会に参加した知人からその時の写真をいただきましたのでご紹介します。
唐招提寺:鑑真和上が建立した律宗の総本山。
金堂:奈良時代に創建された寺院の金堂としては唯一の遺構であり、井上靖の小説「天平の甍」の呼び名にふさわしい風格と美しい姿を今に伝えています。
平成10年に世界遺産に登録。
今回は創建以来の初めての全面解体修理で、
解体された垂木の年輪年代調査の結果、781年以降の建立であることが判明したそうです。
8世紀の素丸瓦
今回の修理を機にこの平成のシビに代えられることに。
屋根西側のシビは天平期の創建当初のものだったそうです。
是非、次回見学の機会が得られるのであれば参加したいものです。
尚、この屋根工事の担当は業界の第一人者であられます、奈良の山本瓦工業様です。
最後に
「古寺巡礼」 和辻哲郎著 に紹介されている唐招提寺についての記述を紹介させていただきます。
正面から見るとこの堂の端正な美しさが著しく目に立つ。
特に屋根の曲線の端正な美しさは東洋建築に特殊なものと認めてよい。
その意味でこの金堂は東洋に現存する建築のうちの最高のものである。
・・・優しく温かく屋根の古色によって抱かれている。その鈍いほのかな色の調子には、確かにしめやかな情緒をさそいださずにはいない秘めやかな力がある。
それは永い年月の間に大気と日光との営みによって造りだされた「さび」の力であるかも知れない。
日本人に生まれてよかったと思います。
平成21年秋の落慶法要が楽しみですね。